マウスピース矯正で口内炎ができる原因と痛みを防ぐ6つの対策
マウスピース矯正を始めたばかりの方や、治療中に口内炎に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
せっかく美しい歯並びを目指して矯正治療を始めたのに、口内炎の痛みで食事も会話もつらい・・・そんな経験をされている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、マウスピース矯正中の口内炎には明確な原因があり、適切な対策を講じることで痛みを大幅に軽減することができます。この記事では、マウスピース矯正中に口内炎ができる原因を詳しく解説し、痛みを防ぐための具体的な6つの対策方法をご紹介します。
快適な矯正生活を送るために、ぜひ最後までお読みください。

マウスピース矯正中は口内炎ができやすいのか
マウスピース矯正中は、通常よりも口内炎ができやすい環境になることがあります。
矯正装置が口腔内に常に存在するため、粘膜への刺激が増え、口内の清潔さを保つことが難しくなるからです。ただし、ワイヤー矯正と比較すると、マウスピース矯正は柔軟な素材で作られているため、口内炎のリスクは比較的低いと言えます。
マウスピースは取り外しが可能なため、万が一口内炎ができても装置を外して治癒に専念できる点は大きなメリットです。
しかし、マウスピース矯正特有の要因により、口内炎が発生することもあります。新しいマウスピースに交換した直後や、初めて装着したときは特に注意が必要です。口内がマウスピースに慣れていない段階では、粘膜が刺激を受けやすく、炎症が起こりやすくなります。
また、マウスピースのフィット感が適切でない場合、特定の部分が口腔内の粘膜に当たり続けることで口内炎の原因になることもあります。
マウスピース矯正中に口内炎ができる5つの原因
マウスピース矯正中の口内炎には、いくつかの明確な原因があります。それぞれの原因を理解することで、効果的な予防策を講じることができます。
マウスピースによる物理的な刺激
マウスピースは患者さま一人ひとりの歯並びに合わせて精密に作製されますが、口内に異物を入れることには変わりありません。そのため、マウスピースの縁やエッジが歯茎や頬の内側の粘膜に擦れて、口内炎が発生することがあります。
特に新しいマウスピースに交換した直後は、適切な調整がされていない場合や、口内がまだ慣れていない状態のため、粘膜が傷つきやすくなります。マウスピースの縁が鋭利な場合は、痛みを引き起こす可能性が高まります。
このような場合は、歯科医院で適切な調整を受けることが大切です。
口腔内の乾燥
マウスピースを装着していると、唾液の流れが部分的に阻害されてしまい、口腔内が乾燥しやすくなる傾向があります。乾燥した状態が続くと、口腔内の粘膜が脆くなり、細かな傷ができやすくなります。
唾液には口の中を洗い流す自浄作用や、細菌の増殖を抑える抗菌作用、そして粘膜を保護・修復する大切な作用があります。唾液が減るとこれらの働きが弱まり、口内炎が発生しやすくなるのです。
水分補給が不足したり、長時間マウスピースを装着し続けたり、口呼吸の習慣がある場合は、さらに乾燥が進みます。
口腔衛生の不良
食後や歯磨き後にマウスピースを再装着する際、食べ物のカスや細菌が残っていると、口内炎の原因になります。口腔内がしっかり清掃できていないと細菌が繁殖し、炎症が発生しやすくなるのです。
マウスピース自体の清潔さも重要です。適切に洗浄されていないマウスピースは、細菌やカビの温床となり、口内炎やそのほかの口内トラブルを引き起こす可能性があります。
毎日の歯磨きが不十分だったり、マウスピースのケアを怠ると、口内炎や虫歯、歯周病のリスクが高まります。
ストレスと免疫力の低下
栄養の偏りや睡眠不足、さらには日常のストレスが重なると、体の免疫力が低下しやすくなります。このような状況で口内の粘膜が刺激を受けると、口内炎が発生しやすいです。
また、矯正治療中には、治療そのものがストレスとなる場合があります。マウスピースの装着や取り外し、洗浄といった日常的なケアが負担に感じられ、このストレスが免疫力の低下を招き、結果的に口内炎の発生頻度が増す原因になる場合があります。
日常の健康管理とストレス対策が、口内炎の予防には欠かせません。
アタッチメントの突起による刺激
マウスピース矯正では、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を装着することがあります。矯正中、アタッチメントの突起は通常マウスピースでカバーされるため、口内炎を起こすケースはそれほど多くありません。
しかし、マウスピースを外している時間が長いと、むき出しになったアタッチメントが口腔内の粘膜を刺激してしまい、口内炎ができる可能性があります。装着時間を守ることで、このリスクを低減できます。

マウスピース矯正中の口内炎を防ぐ6つの対策
口内炎の発生を予防するためには、日常的なケアと生活習慣の見直しが重要です。ここでは、具体的な6つの対策方法をご紹介します。
対策1:口腔内のケアを徹底する
食後には必ず歯を磨き、フロスを使用して歯間の汚れもしっかり除去するようにしましょう。正しい口腔ケアによって口腔内が清潔に保たれれば、矯正治療をより効果的に進められます。
フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、歯の再石灰化を促し、むし歯予防が期待できます。矯正治療中は特に、口腔内全体を清潔に保つことが重要です。また、やわらかめの歯ブラシを使用すると、口腔内の粘膜を傷つけるリスクを軽減できます。
抗菌作用のあるマウスウォッシュを使うことで、口内の衛生状態を向上させて口内炎の治癒を促進できます。
対策2:マウスピースを清潔に保つ
マウスピースの清潔さは、口内の健康にとって非常に重要です。適切に洗浄されていないマウスピースは、細菌やカビの温床となり、口内炎やそのほかの口内トラブルを引き起こす可能性があります。
毎日の歯磨きが不十分だったり、マウスピースのケアを怠ると、口内炎や虫歯、歯周病のリスクが高まります。定期的なマウスピースの交換とともに、日常の清潔習慣を維持するように努めてください。
対策3:こまめな水分補給を行う
マウスピース矯正中は口内が乾燥しやすく、乾燥が口内炎を悪化させることがあります。水分をしっかり補給して、口内の潤いを保ってください。
唾液の分泌を促進し、口腔内の乾燥を防ぐことが重要です。適切な水分補給や口腔ケアの実施により、乾燥によるトラブルを防げます。
対策4:矯正用ワックスや保湿アイテムを活用する
マウスピースの縁が当たって痛みを感じる場合は、矯正用のワックスをマウスピースの縁に塗ることで、摩擦を軽減できる場合があります。特に新しいマウスピースに交換したばかりのときに効果的です。
口腔用の保湿ジェルやスプレーを使用すると、粘膜が保護され、口腔内の乾燥を防げる可能性が高まります。特に、就寝前や長時間マウスピースを装着する際に使うと効果的です。
対策5:食生活と生活習慣を見直す
口内炎があるときは、痛みを感じやすい刺激のある食べものは避けましょう。刺激がある食べ物は、口内炎が悪化する原因になります。口内炎が治るまでは、スープやヨーグルト、豆腐など、刺激が少ない食べ物を選んでください。
ビタミンB2やビタミンB6、ビタミンCなど、粘膜の保護や再生に働く栄養素を意識的に摂取することも大切です。レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品、かつお、まぐろ、鶏肉、バナナ、ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツなどを積極的に取り入れましょう。
睡眠を十分に取り、ストレスを溜めないことも口内炎の予防には欠かせません。規則正しい生活、栄養バランスの取れた食生活を心がけることで、体の免疫力を高め、口内炎を予防できます。
対策6:装着時間を守り、マウスピースに慣れる
マウスピースの装着時間を守ることで、アタッチメントの突起がカバーされる時間が長くなり、アタッチメントの刺激が口内炎をひき起こすリスクを低減できます。
装着時間を守ることに加え、マウスピース矯正中、マウスピースの装着が原因でストレスが生じている場合は、できるだけストレスを感じないようにすることが大切です。矯正が進むにつれ、マウスピースの装着や取り外し・洗浄を「当たり前のこと」と思えるようになると、ストレスを感じにくくなります。

口内炎ができてしまったときの対処法
予防策を講じていても、口内炎ができてしまうことはあります。そんなときは、適切な対処法を知っておくことが大切です。
口内炎用の薬を使用する
口内炎ができたら、口内炎用の薬を使うのが最も簡単で効果的です。軟膏やパッチを使って患部を保護すれば、痛みを軽減できます。軟膏タイプの場合は、指ではなく清潔な綿棒を使用しましょう。
薬は歯科医院で処方してもらうのが基本ですが、市販されているものでも問題ありません。口内炎の症状に合わせて、市販の口内炎の薬を使うことで、炎症を抑える効果を期待できます。
マウスピースの調整を依頼する
マウスピースのフチの刺激によって口内炎が起きていると考えられるときは、フチを切り取るなど、マウスピースの調整をすることで口内炎の改善を図ります。歯科用ワックスを塗って摩擦を軽減し、口内炎の悪化を防ぐこともあります。
口内炎が長引いたり痛みが強かったりする場合は、歯科医院を受診しましょう。原因を特定して、適切な治療を提案してくれます。マウスピース矯正を受けている歯科医院にて受診することで、口内炎を含め、お口の状態を確認してもらえます。
口内炎を刺激しない工夫をする
矯正用ワックスを活用して、マウスピースの縁が口内炎に当たる場合の摩擦を軽減できることがあります。口内炎用パッチを使用すれば、患部に貼ることで、マウスピースの刺激を直接受けにくくなります。
装着時は慎重に行い、口内炎に強い圧がかからないよう、ゆっくり装着することも大切です。就寝前に保護対策を行い、就寝中の刺激を防ぐため、ワックスやパッチを活用しましょう。
氷や冷たい水を口に含むと、痛みを一時的に和らげられる場合があります。アルコールフリーのうがい薬で口腔内を清潔にすることで、治癒の促進につながります。
受診すべき口内炎の症状とは
ほとんどの口内炎は1〜2週間で自然に治癒しますが、場合によっては注意が必要です。
口内炎が2週間以上経っても治らない、数が異常に多い、同じところに何度も繰り返すというような場合には、歯科医師に相談する事をおすすめします。ただの口内炎だと思って放っておいたら、口腔がんが原因だった、ということも実際にあります。
口内炎を放置すると、摩擦や刺激によって炎症が広がり、強い痛みに発展する場合があります。また、細菌感染が起こると、さらに治癒が遅れることもあります。長引く口内炎や、徐々に大きくなるような場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
まれに「口腔がん」の初期症状である可能性もあるため、早期発見が何よりも重要です。

まとめ
マウスピース矯正中の口内炎は、マウスピースによる刺激、口腔内の乾燥、口腔衛生の不良、ストレスと免疫力の低下、アタッチメントの刺激など、さまざまな原因で発生します。
しかし、口腔内のケアを徹底し、マウスピースを清潔に保ち、こまめな水分補給を行い、矯正用ワックスや保湿アイテムを活用し、食生活と生活習慣を見直し、装着時間を守ることで、口内炎の発生を大幅に予防できます。
万が一口内炎ができてしまった場合も、適切な対処法を知っていれば、痛みを和らげながら快適な矯正生活を送ることができます。規則正しい生活、栄養バランスの取れた食生活、歯磨き・洗口剤で常に口の中を清潔に保ち、口内炎を予防しましょう。
口内炎でお困りの方、マウスピース矯正についてご相談されたい方は、ぜひ当院までお気軽にお問い合わせください。
詳細はこちら:オーラルビューティークリニック クラリス歯科・矯正歯科

著者情報
オーラルビューティークリニッククラリス歯科・矯正歯科院長 引野 貴之
経歴
神奈川歯科大学卒業
日本歯科大学附属病院にて勤務
都内の歯科医院にて副院長として6年勤務
学会・資格など
日本口腔インプラント学会会員(日本口腔インプラント学会認定100時間講習会修了)
公益社団法人 日本歯科先端技術研究所(JIAD)会員/JIAD インプラント認証医
インビザライン矯正 2024年 ブラックダイヤモンドドクター認定(国内約 10名)
スマイルトゥルー マウスピース型矯正認定取得
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