マウスピース矯正中の正しい歯磨き方法〜効果を最大化する秘訣
マウスピース矯正中の口腔ケアが重要な理由
マウスピース矯正は、目立たない透明なアライナーで歯並びを整えられる革新的な治療法です。当院でも多くの患者さんに選ばれているインビザラインは、取り外しができる利便性から人気を集めています。
しかし、この「取り外せる」という特徴は、実は大きな責任を伴うものなのです。
マウスピース矯正中の口腔ケアは、単なる虫歯予防以上の重要性を持っています。適切なケアを怠ると、せっかくの矯正効果が十分に得られないばかりか、思わぬトラブルを招くこともあるのです。
私がインビザラインブラックダイヤモンドプロバイダーとして数多くの症例を見てきた経験から言えることは、矯正の成功は患者さん自身の日々のケアにかかっているということです。

マウスピース矯正中に起こりやすい口腔トラブル
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して口腔ケアがしやすいと思われがちです。確かに、装置を外して歯磨きができるのは大きなメリットです。しかし、だからこそ見落としがちな問題もあります。
マウスピース装着中は、唾液による自浄作用が制限されます。唾液は口内を洗浄し、酸性度を中和する重要な役割を担っていますが、マウスピースがあると歯の表面に十分に行き渡らなくなるのです。
2020年のヨルダン大学の研究によると、マウスピース矯正患者はワイヤー矯正患者に比べて歯垢の蓄積は少ないものの、脱灰(虫歯の初期段階)の面積が2倍広くなる傾向があることが報告されています。これは、マウスピースが歯を覆うことで唾液による洗浄効果や再石灰化の機会が減少するためです。
さらに、食事後に十分な歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、食べかすや糖分が歯とマウスピースの間に閉じ込められ、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
どんな矯正装置を選んでも、口腔ケアは必須なのです。
マウスピース矯正中の正しい歯磨きタイミング
マウスピース矯正中の歯磨きのタイミングは、治療効果を最大化するために非常に重要です。基本的には毎食後と就寝前の歯磨きが必須となります。
食事をする際は必ずマウスピースを外し、食後は丁寧に歯を磨いてからマウスピースを再装着します。これは単なる習慣ではなく、矯正治療の成功に直結する重要なルーティンなのです。
特に就寝前の歯磨きは、夜間は口内が乾燥して細菌が活発になりやすいため、より丁寧に行う必要があります。寝ている間の20時間以上、マウスピースを装着することを考えると、就寝前の口腔ケアの質が治療結果を大きく左右するといっても過言ではありません。
食後すぐに歯磨きできない場合の対処法
外食や仕事中など、すぐに歯磨きができない状況は誰にでもあります。そんなときは以下の方法で応急処置をしましょう。
- 水でのうがい:食後すぐに水で口をすすぐことで、食べかすの一部を洗い流せます。頬を動かしながら「ぶくぶくうがい」をすると、より効果的です。
- マウスウォッシュの活用:ポケットサイズのマウスウォッシュを持ち歩くと便利です。殺菌効果もあり、一時的な口内洗浄に役立ちます。
- 歯磨きシートの使用:指にはめて使える歯磨きシートは、水がなくても使用できるため外出先での応急処置に最適です。
ただし、これらはあくまで応急処置です。できるだけ早く、通常の歯磨きを行うようにしましょう。
私の患者さんの中には、ランチ後にデスクで水だけでうがいをして、夕方まで歯磨きをしなかった方がいました。結果として治療期間が予定より2ヶ月も延びてしまったのです。
日々の小さな習慣が、最終的な治療結果を大きく左右します。

マウスピース矯正中の効果的な歯磨き方法
マウスピース矯正中の歯磨きは、通常の歯磨きと基本的には同じですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、柔らかめの歯ブラシを選びましょう。矯正中の歯はやや敏感になっていることがあるため、優しく丁寧に磨くことが大切です。
歯磨きの基本ステップ
- マウスピースを丁寧に外す:奥歯から優しく外し、破損しないよう注意します。
- フッ素配合の歯磨き剤を使用:歯の再石灰化を促進し、虫歯予防に効果的です。
- 歯と歯茎の境目を意識して磨く:45度の角度で歯ブラシを当て、小さく円を描くように磨きます。
- アタッチメント周辺を特に丁寧に:歯に付けた小さな突起(アタッチメント)の周りは汚れがたまりやすいので、特に注意して磨きましょう。
- 歯間ブラシやフロスで歯間清掃:歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間も丁寧に清掃します。
特に注意したいのは、アタッチメントの周辺です。これらの小さな突起は、マウスピースが歯をより効果的に動かすために重要な役割を果たしますが、同時に歯垢がたまりやすい場所でもあります。
私のクリニックでは、患者さん一人ひとりに合わせた歯磨き指導を行っています。特に矯正開始時には、ご自身の口腔内の特徴に合わせたケア方法をお伝えしています。
電動歯ブラシの活用
電動歯ブラシは、マウスピース矯正中の口腔ケアに非常に効果的です。特にアタッチメント周辺の清掃に優れており、手磨きよりも効率的に歯垢を除去できます。
ただし、強すぎる力で磨かないよう注意が必要です。多くの電動歯ブラシには圧力センサーが付いているので、それを活用しましょう。
「歯磨きって本当に大事なの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、私が15年以上の矯正治療の経験で確信しているのは、日々の丁寧な歯磨きこそが、美しい歯並びへの最短ルートだということです。
マウスピースのお手入れ方法
マウスピース自体のお手入れも、矯正治療の成功には欠かせません。清潔なマウスピースを使用することで、口腔内の健康を保ち、効果的な治療を進めることができます。
マウスピースのお手入れ方法は意外とシンプルです。複雑な手順は必要ありませんが、日々の習慣として定着させることが重要です。
日々のマウスピースケア
- 外した直後に水ですすぐ:唾液が乾燥して白く固まるのを防ぎます。
- 専用洗浄剤または中性洗剤で洗う:歯ブラシを使って優しく洗いましょう。ただし、熱湯での洗浄は変形の原因になるので避けてください。
- 保管時は専用ケースに入れる:清潔な状態を保ち、紛失や破損を防ぎます。
マウスピースの洗浄には、市販の専用洗浄剤が便利です。これらは細菌の繁殖を抑え、マウスピースの透明感を維持する効果があります。
また、マウスピースを装着したまま水以外の飲み物を摂取することは避けましょう。特に色素の強いコーヒーや紅茶、ワインなどは、マウスピースを変色させる原因になります。
私の患者さんで、マウスピースを装着したままコーヒーを飲み続けた方がいました。2週間後のチェック時には、マウスピースが茶色く変色していただけでなく、歯の表面にも着色が見られました。
マウスピースは1日20時間以上装着するものです。その清潔さが、あなたの口腔内の健康と矯正効果に直結しているのです。

マウスピース矯正中の飲食の注意点
マウスピース矯正中の飲食は、治療効果と口腔内の健康に大きく影響します。正しい習慣を身につけることで、トラブルを未然に防ぎ、効率的な治療を進めることができます。
基本的なルールはシンプルです。食事をする際は必ずマウスピースを外し、食後は歯磨きをしてからマウスピースを装着します。
飲食時の基本ルール
- 食事中はマウスピースを外す:マウスピースを装着したまま食事をすると、マウスピースが破損したり、食べ物が挟まったりする原因になります。
- マウスピース装着中は水以外飲まない:色素の強い飲み物や糖分を含む飲み物は、マウスピースの変色や虫歯の原因になります。
- 間食を減らす:頻繁に食事をすると、その都度マウスピースを外し、歯磨きをする必要があり、結果的に装着時間が減ってしまいます。
特に注意したいのは、マウスピースを外している時間です。インビザラインは1日20時間以上の装着が推奨されています。食事や歯磨きの時間を含めても、マウスピースを外している時間は1日4時間以内に抑えるのが理想的です。
ある患者さんは、「ちょっとだけなら」と思って、マウスピースを装着したままコーヒーを飲んでいました。結果として、マウスピースが変色しただけでなく、歯の表面にも着色が見られるようになりました。
小さな習慣の積み重ねが、最終的な治療結果を左右します。日々の心がけで、より効果的な矯正治療を目指しましょう。
マウスピース矯正の効果を最大化するための生活習慣
マウスピース矯正の成功は、日々の生活習慣に大きく左右されます。特に装着時間の管理と口腔ケアの習慣化が重要です。
インビザラインは1日20時間以上の装着が推奨されています。これは単なる目安ではなく、治療計画に基づいた科学的な数値です。装着時間が不足すると、歯の移動が計画通りに進まず、治療期間が延長する可能性があります。
装着時間を確保するためのコツ
- 食事時間を意識する:だらだらと長時間の食事を避け、効率的に食事を摂ることで、マウスピースの装着時間を確保できます。
- アラームやタイマーを活用する:食後のマウスピース再装着を忘れないよう、スマートフォンのアラーム機能を活用しましょう。
- 装着習慣を記録する:アプリや手帳で装着時間を記録することで、自己管理の意識が高まります。
また、矯正中は口腔内の状態が変化するため、定期的な歯科検診も欠かせません。当院では2ヶ月に一度の定期検診をお勧めしています。
私の患者さんの中には、仕事が忙しく食事時間が不規則な方もいます。そんな方には、朝と夜の食事時間を固定し、昼食は時間を決めて効率的に摂るよう提案しています。これにより、マウスピースの装着時間を確保しながら、生活リズムも整えることができます。マウスピース矯正の成功は、患者さん自身の手に委ねられています。日々の小さな努力が、美しい笑顔への大きな一歩となるのです。最後に、マウスピース矯正中の生活習慣で最も重要なのは「継続」です。どんなに効果的な方法でも、続けなければ意味がありません。無理なく続けられる習慣を見つけ、理想の歯並びを目指しましょう。
まとめ:マウスピース矯正を成功させるための歯磨きのポイント
マウスピース矯正中の歯磨きは、治療の成功に直結する重要な要素です。今回ご紹介した内容をまとめると、以下のポイントが特に重要となります。
- 毎食後の丁寧な歯磨き:食後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着しましょう。
- アタッチメント周辺の入念なケア:歯垢がたまりやすい部分なので、特に注意して磨きましょう。
- 歯間ケアの徹底:フロスや歯間ブラシを活用し、歯ブラシだけでは届かない部分もケアしましょう。
- マウスピースの清潔維持:毎回外した際に洗浄し、専用ケースに保管しましょう。
- 水以外の飲み物はマウスピースを外して摂取:変色や虫歯予防のために重要です。
外出先で歯磨きができない場合は、水でのうがいやマウスウォッシュの使用など、できる範囲での応急処置を行い、できるだけ早く通常の歯磨きを行いましょう。
インビザラインによるマウスピース矯正は、患者さん自身の自己管理が治療結果を大きく左右します。日々の丁寧なケアが、理想の歯並びへの近道となるのです。
当院では、患者さん一人ひとりの生活スタイルに合わせた口腔ケア指導を行っています。マウスピース矯正中のケアでお悩みの方は、ぜひご相談ください。
美しい歯並びは、日々の小さな習慣から生まれます。今日から、正しい歯磨き習慣を始めてみませんか?

著者情報
オーラルビューティークリニッククラリス歯科・矯正歯科院長 引野 貴之
経歴
神奈川歯科大学卒業
日本歯科大学附属病院にて勤務
都内の歯科医院にて副院長として6年勤務
学会・資格など
日本口腔インプラント学会会員(日本口腔インプラント学会認定100時間講習会修了)
公益社団法人 日本歯科先端技術研究所(JIAD)会員/JIAD インプラント認証医
インビザライン矯正 2024年 ブラックダイヤモンドドクター認定(国内約 10名)
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