インビザラインで開咬は改善できる?前歯が噛み合わないケースの治療選択肢
開咬とは?前歯が噛み合わない状態の基礎知識
開咬(かいこう)は「オープンバイト」とも呼ばれ、奥歯を噛み合わせても上下の前歯が接触しない状態を指します。
この状態では、前歯で食べ物を噛み切ることができず、麺類などを舌を使って食べている自覚がある方が該当します。見た目の問題だけではなく、呼吸や咀嚼などの生命維持機能にも影響を与える重要な歯並びの問題です。
開咬の主な原因は、幼少期の指しゃぶりや舌突出癖(舌を前に出す癖)、頬杖をつく癖、口呼吸などの習慣です。これらの癖が前歯に持続的な圧力を加えることで、骨の形成段階で歯並びが変化してしまいます。遺伝的な顎の形態も原因の一つとされており、複数の要因が組み合わさって開咬が発生することもあります。
開咬を放置すると、奥歯に過度な負担がかかり続けます。
前歯が機能していないため、咀嚼の負担がすべて奥歯に集中し、むし歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、奥歯の寿命が短くなってしまう可能性があります。さらに、顎関節症を引き起こすリスクや、発音が不明瞭になるといった二次的な問題も生じやすくなります。

インビザラインが開咬治療に向いている理由
インビザラインは、開咬の治療において非常に効果的な選択肢として注目されています。
その最大の理由は、マウスピース型矯正装置が「圧下(あっか)」と呼ばれる歯の動きを得意としているからです。圧下とは、歯を生えている方向に対して歯茎の方向へ沈めていく動きを指します。開咬の多くは、奥歯が先に当たって「突っかい棒」のようになり、前歯が閉じなくなっている状態です。つまり、原因は前歯ではなく奥歯の高さにあることが多いのです。
インビザラインのマウスピースは、奥歯全体を包み込むように装着されるため、奥歯を効果的に圧下することができます。従来のワイヤー矯正では、横方向の圧力をかけることは得意でしたが、内外方向や垂直方向の圧力をかけることは技術的に困難でした。しかし、マウスピース矯正の技術革新により、奥歯を歯ぐきの方向に沈める動きが比較的容易に実現できるようになりました。
さらに、インビザラインは透明で目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に便利です。社会人や学生にとって、治療中の見た目が自然であることは大きなメリットとなります。マウスピース自体が舌癖を自覚するきっかけにもなり、舌の位置トレーニングと並行することで、より良好な治療結果が得られます。
インビザラインで治療可能な開咬のタイプ
インビザラインが得意とする開咬のタイプは、主に奥歯の高さ調整で改善できるケースです。
奥歯を少し沈める(圧下する)ことで前歯の接触を作るのは、インビザラインのようなマウスピース矯正が最も得意とする動きの一つです。軽度から中等度の開咳であれば、多くの場合、歯を抜かずに治療可能です。実際、純粋な開咬だけの問題なら、約60〜70%は非抜歯で治療できるとされています。
舌突出癖が関与する軽度から中等度の開咬も、インビザラインの適応症です。治療と並行して舌の位置トレーニング(MFT:口腔筋機能療法)を行うことで、良好な結果が得られます。マウスピース自体が舌癖を自覚するきっかけになり、自然な改善を促進する効果もあります。

インビザラインで治療が難しい開咬のケース
すべての開咬がインビザラインで治療できるわけではありません。
骨格性の重度開咬の場合、顎の骨格自体に大きなズレがあるため、骨格の問題を解決する必要があります。重度の場合は外科手術を検討することもありますが、実際に手術が必要なのは全体の10〜15%程度と言われています。骨格的な要因が強い症例については、専門医による詳細な診断が重要です。
また、抜歯して大きく歯を動かす必要がある場合も、インビザラインを第一選択としない方がよいケースがあります。抜歯が必要な症例で、大きな距離を確実に動かす必要がある場合は、ワイヤー矯正(必要に応じてアンカースクリュー併用)の方が予測実現性が高いと判断することもあります。
装着時間の管理が難しい方も、インビザライン治療には向いていません。
1日20〜22時間の装着は必須であり、これが守れないと治療結果に直接影響します。マウスピースの適切な装着が不可欠であり、装着方法や装着時間が適切でない場合、計画通りに歯が移動しない可能性があります。自己管理が重要な治療法であることを理解しておく必要があります。
抜歯の必要性について
開咬治療において抜歯が必要かどうかは、症例によって異なります。
純粋な開咬だけの問題であれば、約60〜70%は歯を抜かずに治療可能です。抜歯を検討するのは、開咬に加えて出っ歯や叢生(ガタガタ)がある場合です。口元を下げたり、歯を並べるスペースが必要な時に抜歯を選択することがあります。親知らずについては、将来的なトラブルを避けるために抜歯を推奨されることが多いですが、これは開咬治療とは別の判断になります。
インビザライン開咬治療の期間と費用
インビザラインによる開咬治療の期間は、症例の複雑さによって大きく異なります。
軽度の開咬の場合は、約8か月から1年程度で改善が見られることが多いです。中等度の開咬では1年から2年程度、重度の場合は2年から3年かかることもあります。治療期間は、歯の移動量や骨格的な要因、患者の協力度(装着時間の遵守)によって変動します。
費用については、一般的に70万円から100万円程度が相場とされています。当院では、マウスピース矯正治療を22.4万円という低価格から提供しており、多くの患者様に選ばれていることで大量のマウスピース制作依頼が可能となり、そのコスト削減分を患者様の治療費に還元しています。症例の複雑さや治療期間によって費用は異なりますので、詳細なカウンセリングで正確な見積もりを受けることをおすすめします。
治療中は月に1回程度、クリニックでの経過観察が行われ、必要に応じて治療計画が調整されます。マウスピースは通常2週間ごとに交換され、歯を計画通りに動かしていきます。治療終了後は、リテーナーと呼ばれる保定装置を使用して、矯正した歯並びを維持します。このステップを怠ると、再び開咬が発生するリスクが高まるため、保定期間も治療の重要な一部です。
治療効果を実感できる時期
インビザライン治療の効果を実感できる時期は、個人差がありますが、多くの場合、治療開始から3〜6か月程度で変化を感じ始めます。
ただし、前歯の移動が治療計画の後半になっている場合は、見た目の変化を実感するまでに時間がかかることがあります。奥歯の圧下から始める治療計画の場合、初期段階では目に見える変化が少ないため、焦らず治療計画を信頼することが大切です。
インビザライン以外の開咬治療の選択肢
インビザライン以外にも、開咬を治療する方法はいくつか存在します。
ワイヤー矯正は、従来から行われている矯正治療法で、ブラケットとワイヤーを使用して歯を移動させます。抜歯を伴う大きな歯の移動が必要な場合や、骨格的な問題が大きい場合は、ワイヤー矯正の方が効果的とされることもあります。特に、アンカースクリューを併用することで、より確実な歯の移動が可能になります。
インプラント矯正は、顎の骨に小さなスクリューを埋め込み、それを固定源として歯を移動させる方法です。通常の矯正治療では難しい動きも可能になるため、重度の開咬や複雑な症例に適用されることがあります。ただし、外科的処置を伴うため、患者の同意と適切な管理が必要です。
MFT(口腔筋機能療法)は、舌や口周りの筋肉のトレーニングを行う治療法です。
開咬の原因が舌突出癖や口呼吸などの習慣にある場合、矯正治療と並行してMFTを行うことで、治療効果を高め、後戻りを防ぐことができます。特に成長期の子どもの場合、MFTだけで開咬が改善することもあります。
治療法の選択基準
どの治療法を選択するかは、開咬の程度、骨格的な要因、患者の年齢、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮して決定します。
軽度から中等度の開咬で、目立たない治療を希望される方には、インビザラインが適しています。重度の開咬や骨格的な問題が大きい場合は、ワイヤー矯正や外科手術を検討することになります。最適な治療法を選択するためには、専門医による詳細な診断とカウンセリングが不可欠です。

インビザライン治療を成功させるためのポイント
インビザライン治療を成功させるためには、患者自身の協力が非常に重要です。
まず、1日20時間以上の装着時間を守ることが必須です。食事と歯磨きの時間以外は、常にマウスピースを装着している必要があります。装着時間が不足すると、計画通りに歯が移動せず、治療期間が延びたり、治療結果に影響が出たりする可能性があります。
マウスピースの取り替え期限をきちんと守ることも重要です。通常、2週間ごとに新しいマウスピースに交換しますが、この期限を守らないと、歯の移動が計画通りに進まなくなります。また、口の中を清潔に保つことも大切です。マウスピースを装着している時間が長いため、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。食後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着しましょう。
チューイーと呼ばれる補助器具を使用することで、マウスピースと歯の密着度を高めることができます。
マウスピースを装着した後、チューイーを噛むことで、マウスピースが歯にしっかりとフィットし、より効果的な歯の移動が期待できます。また、アタッチメント(歯の表面に付ける小さな突起)が脱落した場合は、すぐに歯科医院に連絡して再装着してもらうことが重要です。
治療効果を早く実感するコツ
治療効果を早く実感するためには、光加速矯正装置を使用する方法もあります。
この装置は、特殊な光を照射することで歯の移動を促進し、治療期間を短縮する効果があるとされています。また、症例によっては、ワイヤー矯正と組み合わせることで、より確実で早い治療結果が得られることもあります。担当医と相談しながら、最適な治療計画を立てることが大切です。
まとめ:開咬治療はインビザラインで改善可能
開咬は、インビザラインが得意とする不正咬合の一つです。
奥歯を歯ぐきの方向に沈める「圧下」という動きが、マウスピース型矯正装置では比較的容易に実現できるため、軽度から中等度の開咬であれば、多くの場合、効果的に改善することができます。透明で目立ちにくく、取り外しが可能なインビザラインは、社会人や学生にとって大きなメリットがあります。
ただし、骨格性の重度開咬や、抜歯を伴う大きな歯の移動が必要な場合は、ワイヤー矯正や外科手術が適していることもあります。また、1日20時間以上の装着時間を守ることができない方には、インビザライン治療は向いていません。最適な治療法を選択するためには、専門医による詳細な診断とカウンセリングが不可欠です。
当院では、世界上位1%のインビザラインブラックダイヤモンドプロバイダーの資格を持つ引野院長が、豊富な経験と高い技術で開咬治療を行っています。年間401件以上のインビザライン症例実績があり、「他院でマウスピース矯正では治せない」と言われた方でも、多くの症例で改善を実現しています。完全個室の診療室で、リラックスした環境で治療を受けていただけます。
開咬でお悩みの方は、ぜひ一度、専門医にご相談ください。詳しい治療内容や費用については、東京・国分寺のオーラルビューティークリニック クラリス歯科・矯正歯科の公式サイトをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。あなたに最適な治療計画をご提案いたします。

著者情報
オーラルビューティークリニッククラリス歯科・矯正歯科院長 引野 貴之
経歴
神奈川歯科大学卒業
日本歯科大学附属病院にて勤務
都内の歯科医院にて副院長として6年勤務
学会・資格など
日本口腔インプラント学会会員(日本口腔インプラント学会認定100時間講習会修了)
公益社団法人 日本歯科先端技術研究所(JIAD)会員/JIAD インプラント認証医
インビザライン矯正 2024年 ブラックダイヤモンドドクター認定(国内約 10名)
スマイルトゥルー マウスピース型矯正認定取得
ハーモニー舌側矯正認定取得
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